■ 眉 毛 の 秘 密 ■

シェパード親子と暮らす犬訓練士の、気まぐれ日記です。

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ナスカの戦い

今年のWUSV代表選考会でのナスカ。17133868865_c7006da58f_o.jpg
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遠くフィンランドでは、今まさに2015年のWUSV世界選手権が開催され、多くの犬達が競技を行っています。

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ナスカも世界選手権を目指しトレーニングに励んでいた中の一頭でしたが・・・

残念ながら、今年4月の代表選考会を最後に
訓練競技からは引退させることを決めました。

健康上の問題が判明したためです。


昨年夏ごろから、訓練の時の犬の動きに違和感がありました。
10月以降は車への乗り降りを躊躇する、障害飛越で足を掛けてしまうといった症状があり、明らかにおかしい(ベストな時のナスカでは考えられない)ので病院に通っていましたが、明確な原因が分かりませんでした。
どうやら、ジャンプの際に踏み切る時など、瞬間的に体に力を入れる際に鈍い痛みがある様子。
これまでの健康な時の状態と現在の痛みの出方から考えると、関節の変形や損傷による症状とは考えにくく、病院の先生の指示のもと、症状のある時に痛み止めを服用することで過ごし、
それで大きな問題無く済んでいた為、12月のD-1に出場しました。
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年末には、仲間内で恒例の九州での訓練合宿にも参加しましたが、
やはり状態は良くなく、2kgダンベル持来をたびたび拒絶。

その後、別の病院で改めて検査を受けました。
関節は前後ともまったく異常が無く、むしろ模範的な骨格構成。
血液検査の数値と症状の出方から判断し、筋炎(筋肉の炎症)なのではないかとの診断結果でした。それも、一時的なものではなく免疫機能の異常による免疫性疾患のうちの筋炎とのこと。
処方していただいたお薬がテキメンに効いたことで、診断も裏付けられました。
(免疫性疾患は突然変異のようなもので、病気の多いシェパード犬種にはたびたび見られるそうです。)

16510480033_4c8396979d_z_20150925164330733.jpg投薬治療により症状は劇的に改善し、訓練が好きな犬ですので可能な限り練習も続けました。
しかし、病気の根本が『免疫性疾患』であるので、完治することはまずありません。
そして残念なことに、この病気に効くお薬は大量に飲み続けると副作用の危険が高い為、減らしていかなくてはいけません。

三月には、治療の効果でずいぶん体調が上向きになったナスカ。
ちょうどその一カ月後にWUSVの代表選考会。

先のことを考えると、病状が変わらないまま薬の量が減れば、確実に筋炎の症状は再び現れます。
病状そのものの進行は止まるかもしれませんが、筋肉量は確実に減っていきます。
この大会を見送ったら、恐らくもう二度と競技に出させてやることができない――。

ナスカとの最後のIPO競技。
2015年の代表選考会は私にとって、そんな特別な大会でした。


体調が上向きになったとはいえ、筋炎の影響によるブランクもあり練習不足は否めなかったナスカ。
選考会では、とにかく元気に楽しく競技をしてほしくて、ノリノリにさせて出場しました。
結果、服従ではだいぶハメを外して失敗が多くなってしまいましたが、2kgダンベルは砂煙の上がる勢いでしっかり咥え上げ、
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障害も飛び、板壁も越え、時折り脚側位置で飛び跳ねて見せ、訓練楽しい!っていう姿を見せてくれました。
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防衛作業も、ムチ当てや、咬捕の際に振り回された時は、耐える為に全身に力を入れなければなりません。
もしも当日、少しでも筋炎の症状が出てしまったら痛みで咬捕を外してしまっていたでしょうが、、、
そんな心配無用!なぐらい弾けて、防衛大好き犬の根性も見せてくれました。
的確な診断と治療を施して下さったS先生に、感謝です。
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得意の追及科目は、練習通りの安定した作業内容で高評価。
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2011年生まれの4歳。16926476257_fb20170658_o_201509251643339a5.jpg
病気さえなければ、まだまだこれから練り込んで上位を狙える『素質ある子』に間違いないのですが、健康上の問題が判明した以上は引退せざるをえません。
この先も大量の薬を飲ませ続け、競技をさせる道もあるのかもしれませんが、私は例え世界チャンピオンが約束されていたとしても、副作用でナスカの寿命を縮めてまで無理矢理競技を続ける行為はしたくありません。

新しくWUSVから発表された犬の健康に関するガイドラインでも、2016年より犬の健康がより厳密に審査され、犬に無理をさせるような強硬出場は反則行為として厳しく取り締まることが宣言されました。

ドッグスポーツは、犬の健康あってこその競技です。
常に犬の健康に配慮し、ベストな状態で臨むのが指導手の務めです。
体調に問題があれば真っ先に気付いてやり、相応の対処をする。
どんなに優秀な犬であっても、身体的理由で競技犬として相応しいパフォーマンスが不可能になったならば、そこで引退を決断するのも指導手の務めであると思います。
健康問題により本来の動きができない――作業中に何度も転倒してしまうほど犬のコンディションが悪い状態で、
周囲の助言(棄権の勧め)にも耳を貸さず競技をさせるなど・・・考えれらません。

いつも沢山の大切なことを教えてくれる犬達。
人間、完璧な人はいません。
まだまだ足りないことだらけの自分に日々付き合ってくれる犬達を、敬うことを忘れない訓練士でありたいと思います。
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ナスカは現在、医師の先生とよく相談しながら、定期的に血液検査をし副作用のない範囲で薬を飲んで、
家庭犬として何ら問題ない日常生活を過ごしています。

相変わらず趣味の虫追いは大好きで、グランドで毎日元気に趣味に没頭していますのでご安心ください(^^)
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  1. 2015/09/25(金) 18:00:48|
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